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全身麻酔(全身麻酔)

  大きな手術や、首から上の手術の際に行われます。

  点滴から眠る薬(静脈麻酔薬、じょうみゃくますいやく)を入れ、患者さんに眠って頂きます。

  呼吸も止まりますので、人工呼吸しながら、口の中へ管(気管内挿管チューブ)をいれ、のどの奥の気管(きかん)の中まで入れます。

  首の前方にあるのが気管で、そのすぐ後ろに食道があります。気管は、肺につながり、食道は胃につながっています。

  目が覚めている状態では、気管に管をいれるなんてとても苦しくて、大変ですが、眠られた状態で行いますので、全くわかりません。

  後は、この管を通して、人工呼吸を行い、同時に麻酔薬(麻酔ガス、吸入麻酔薬)を吸ってもらいます。ですから全身麻酔中は、ずっとこのガスを吸っていますので、途中でさめることはありません。

  手術中は、人工呼吸を続け(通常は麻酔器についた人工呼吸器が行います。)、患者さんの血圧、心拍数、体温を調節します。手術中に外科医が出血させて、輸血の必要がでてくれば麻酔科医の判断で輸血を行います。

 だだ患者さんにはあらかじめ術前に輸血の了解を必ずうけています。

  手術が終わりに近づくと徐々に、麻酔ガスの濃度を下げていきます。あたかも飛行機が着陸するために徐々に高度を下げていくのに似ています。

  この時期がもっとも不安定で、着陸が難しいように、麻酔から患者さんを無事覚ますのが大変です。

  手術終了時に麻酔ガスを止め、人工呼吸を続けながら、患者さんが自分で呼吸をし、呼びかけに反応するまで待ちます。患者さんが、自分で十分呼吸でき、呼びかけに反応するようになってはじめて、口の管を抜きます。

 (患者さんが眠っているうちに早めに管を抜き、あとは防毒マスクのようなマスクで人工呼吸しながら患者さんが覚めるのをまつ方法もあります。

  管を抜いた後、患者さんの血圧、呼吸数、心拍数、が安定し意識状態も呼びかけに目をあけるぐらいになって、病棟にお返しします。

  管が喉の奥の気管に入ったことは、ほとんどわからず麻酔、手術は終わっています。

  このため手術後、軽度喉の痛みが1週間ほど持続することがあります。

  最近では、この管(気管内挿管チューブ)でなく、喉の奥をマスク(ラリンゲルマスク)で覆い、このマスクを通じて人工呼吸をする方法もあります。この方法ですと、喉の痛みが少ないようです。ただ使用に制限があり、全例とはいきません。

  この全身麻酔に加え、硬膜外麻酔(こうまくがいますい)を併用して用いることがあります。

  硬膜外麻酔のところでお話ししましたように、術後まで痛み止めが可能です。

  全身麻酔単独だと、麻酔から覚めた時、かなり痛いのですが、硬膜外麻酔を併用することにより、麻酔から覚めた後もあまり痛まず、術後も比較的快適に過ごすことができるようになっています。

 わかりにくいとは思いますが、順次改訂していきます。

 

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