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  手術&麻酔経験記 投稿者: ふりーふりー 投稿日:2000/02/27(Sun) 23:02
手術&麻酔体験記

はじめまして。ふりーふりーと申します。
このたび、人生で初めての手術&全身麻酔&入院生活を経験しまして、これから手術&麻酔を受けられる方の参考になればと思い、書き込みをさせていただきます。

ちなみに、私が手術&入院することになった病院と手術の内容は、以下のとおりです。

病院 都内某所にある数百床規模の、いわゆる“総合”病院(今は地域支援病院というのかな?)で、臨床研修指定病院(お医者さんの卵、というより、かえったばかりの雛がたくさんいらっしゃいます。)麻酔科あり(^-^)vです。

内容 主治医の先生によれば「(腹部手術では)大規模です(きっぱり)」だそうです。

手術を受けての感想をまとめますと。


「術後の痛み」は、「なるほど、それなりに痛くない」痛みである。
日本語になっとらん!とお叱りを受けそうですが、「激痛」で「七転八倒する」ということはなかったです。ただ、やっぱり術後初日は「痛い」です。
動くともっと痛いし。
ただ、「痛みがつらい」ということはなかったです(うみゅみゅ。説明がむずかしい)
いわゆる「術後鎮痛」というのは「なるほど、痛いのは痛いけど、つらい思いはしないのね」という意味ではないか、と僕は受け取っています。
考えれば考えるほど「痛み」は「奥が深い」というですねぇ。


術後は、積極的に動きましょう!
このあたりは看護婦さんの独壇場?かもしれませんが・・術後翌日午前中から、笑顔の看護婦さんのやさしい指導のもと、厳しく歩行訓練がはじまります(^^)腸同士が癒着したりとか、血の固まりが肺につまるとか、を防ぐため、歩くことは「絶対」必要だそうです。
手術を受ける(た)みなさん、看護婦さんやお医者さんをうらむことなく、とにかくがんばって歩きましょう!(でも、歩きはじめた時の看護婦さんの名前『だけ』しっかり記憶している私・・・)

というわけで、手術前日から。

<手術前日>
手術前日の午前中に入院(必要な諸検査は、外来で済んでいたので)。
さっそく「絶飲食」を指示され、下剤服用。便の状況を全て看護婦さんがチェック。
「消化管の手術では、上から下までからっぽになっていることが『絶対』必要なので、よろしくお願いします」とのこと。

若い男性医師が自己紹介の後、問診、点滴確保と動脈血採血。
その後、明日の手術についての簡単な説明の後(基本的な説明は既に主治医より受けていたので)、手術同意書と輸血同意書を渡され「後で看護婦さんに渡しておいてください。」
ま、手術するつもりで入院したんだし。すぐにサイン。

麻酔科医の訪問。若い女性医師であった。
問診、触診、家族歴聴取の後、質疑応答

医師:明日は、手術室入室が朝8時。執刀開始が9時の予定です。
私 :術後、どれくらい痛みますか。
医師:背中から痛み止めを入れますから、激痛に襲われる、ということはありません。
ただ、そこから先はどうしても個人差(「全然痛くない」〜「やっぱり痛い」)がでてきますので、その点はご了解ください。
効き目が不十分であれば、痛み止めを追加しますから、遠慮せずに言ってください。
私 :自分の母親が全身麻酔から覚醒する時、チューブが苦しかったことをよく覚えているようなのですが。
医師:(そのようなことがないよう)意識がもうろうとしている段階で抜きますので、あまり覚えていないはずですが・・・きっと麻酔からの覚醒が早かったんだと思います。

以上の説明の後、麻酔のパンフレットを見せながら再度説明。麻酔同意書を渡される。「それでは、○○(私の本名)さん、明日の朝8時に手術室の前でお待ちしてます」とのこと。

その後、麻酔同意書にサイン。

その後、主治医(執刀医)が来室。
「いよいよ明日ですね。がんばりましょう」

夜に入浴、看護婦さんから睡眠薬をもらって、就寝。


<手術当日>
朝7時頃からぱたぱたと準備開始。
まず、T字帯というふんどしみたいなものをつけて、手術着(かっぽう着みたいなもの)に着替える。

それから、鼻から胃へチューブをいれる。術後、胃に貯溜した消化液を排出するためのもので、消化管の手術ではほぼ全例に使用するとのこと。
先端にキシロカインが塗布してある。ちょっと手間取るも無事装着。
看護婦:この管がね、患者さんたちが一番つらいっていうんですよ
私 :う〜ん、でも最初覚悟していたよりは楽ですね。
看護婦:そうですか。それはよかった。

前投薬(安定剤だと思う)を飲んで、頭に頭巾をつける。
7時50分頃
看護婦さん「それじゃ、○○さん、行きましょうか。」

手術室まで運ばれる。手術室入口のホールで順番待ち。自分の前に3名位待っていた。

医師:おはようございます。昨日お会いした医師の△△です。
○○さんですね?
私 :はい、そうです。よろしくお願いします。
医師:それじゃ、手術室へ運びますね。奥の手術室なので、少し時間がかかります。(手術室が8室あった)
くねくねと廊下をまがった後、手術室へ到着。
明るい!すごく大きな無影灯が天井に(直径1メートル以上か?)。
壁際の大きなシャウカウテンに自分の胸のレントゲンが張られていく。

医師:もう一度確認させてくださいね。お名前を全部お願いします。
私 :○○○○です。
医師:はい。それじゃ、○○さん、いろいろパッチをつけますね。
心電図の電極がぺたぺたとついて、指先にパルスオキシメーター。
テレビドラマ等でおなじみの「心電図の音」が聞こえてくる。
腕に自動血圧計。定期的に膨らんだりちじんだりを繰り返す。

麻酔のお医者さんは2名。昨日病室にきてくれた医師が研修医で、もう一人が麻酔指導医だと思われる(未確認)

(指導医と研修医の会話)
指導:この点滴は?
研修:はい、病棟で入れたものですが。
指導:(点滴が)落ちてないじゃん。
研修:あ、そうですね
指導 「はい、○○さん、ちょっと手を握ってくれる?(腕を見て、ぺし
ぺしたたいていわく)細いなぁ」
(ま〜日赤献血の看護婦さんに嫌われた腕だし)
研修 「じゃ、後で」
指導 「うん、導入してからだね」
(眠ってからつ〜ことね)

研修:それじゃ○○さん、背中から管を入れますから、丸まってください。
私 :はい。
研修:はい、まず局所麻酔を打ちますね。すこし痛いですよ。何本か打ちますからね。
ちく・ちく・ちく、とするだけ。「痛い!」という感じはない。
研修:はい、それじゃ、管入れますね。痛くても動かないで下さい。
相当痛いもんだと思っていたが、ちょっと押されている感じはするけれど、痛くはない。
研修:はい、○○さん、痛いところは終わりましたよ。
(あ〜痛くなくてよかったぁ。)姿勢を元にもどして、
研修:じゃ、マスクをあてますから、普通に呼吸してください。
2〜3分たった頃、
研修:じゃ、○○さん、今点滴から眠くなる薬が入ってますからね。

お〜、いよいよかぁ。どういう風に効くのかなぁ・・・あ〜、頭がしびれ
てきた。音が遠くなって・・・こうやって効いてくるわけね・・・


ぐうぐう(_ _)Zzzz


ほんの少し眠った感じの後(ほんとに4〜5分の感覚)
(ここから先は記憶があいまいです。)

誰か:○○さ〜ん、○○さん。手を握ってください。
私 :?
誰か:○○さ〜ん、手を握ってください。
私 :?・・・(ぎゅ)。
誰か:○○さん、もう1回。
私 :?・・・(ぎゅ)・・(なんだか喉のあたりが変だな)。
・・・・すぐに喉のあたりが楽になる。
誰か:○○さん、手術は無事に終わりましたよ。今夕方の4時です。
なんだか思考がまとまらない感じ。しゃべる気持ちがおきない。
私 :(手術は終わったのか。痛くはないな。よかった)。
誰か:○○さん、移りますよ。
誰かな人々:せ〜のっ!。

回復室へ移動。ずっと麻酔科医と看護婦さんがつきっきり。

私 :ちょっと、吐き気がするんですけど。
誰か :ああ、ほんと。鼻からのチューブの中身がたまってきたからかな(と、吸出してくれる)吐き気止めもいれるからね。
おお、楽になった。
<この間、その場でレントゲンをとったり(中心静脈点滴の確認?)、
看護婦さんと麻酔科医が結構ぱたぱたしておられました。

(私の方は相変わらず、思考がまとまらない感じ。おそらく、麻酔に使用した鎮静剤の効果が続いていたんだと思う)

1時間ほどたったかと思う頃

誰か「○○さん、頭を持ち上げてくれる?」
私(言われた通りにする)
誰か「ああ、大丈夫ね。それじゃ、病棟の看護婦さんがもうすぐ迎えにくるからね」

<病室へ>
両親が部屋で待っていた。

15時過ぎに「今手術が無事終わりましたよ」と連絡が入ったといっていたので、9時執刀開始として、6時間かかったわけだ。大手術だったんだなぁ、と改めて感じた。

自分の主治医は、自分の手術が終了後、さらに救急患者の手術が入ったとかで(う〜ん、体力勝負なのね)18時頃病室へ。両親と一緒に簡単な説明を受ける。

また、病棟の看護婦さんから、腕時計型硬膜外麻酔キット(全く勝手な命名)の説明。「この、腕時計みたいなものの、このボタンを押すと痛み止めが増量されて入りますから。痛くなったら、押してくださいね」

<術後初日の晩>
両親が帰宅した後、傷口(の表面)が痛みだす(麻酔の影響が切れた?)
ナースコールする。
看護婦:どうしました
私 :痛いんですが
看護婦:どんなふうに、どこが痛みますか?
私 :おなかのあたりが。
看護婦:ずっきんずっきん?
私 :いえ。もっと、高音の痛みというか。キンキンという感じです。
看護婦:ああそうですか。一番痛いのを10だとして、どれくらいの痛み
ですか?
私 :う〜ん・・・5.5か6位かな。激痛じゃないんですけどね
看護婦:はい、6位ね。それじゃお医者さんと相談して痛み止めを点滴しますね。右手についている腕時計みたいなのボタンは押しました
か?
私 :ええ、押してるんですけど。なんかうまく入らなくて。
その場でぎゅぎゅ、とやってみるが。入っているのかな。
看護婦:入りませんか?こうやって、ぎゅ、ぎゅっと。
お〜、背中が冷たくなった。薬液が入っているらしい。
私 :ああ、背中が冷たくなりました。この(背中の)痛み止めって?
看護婦:モルヒネです。ごく微量ずつですけどね、確実に入っていますから安心してくださいね。

その晩は、3回ほどナースコールして、痛み止めを点滴でいれてもらいまして・・・翌日には、動かなければ痛くなくなりました。
 
     
     

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