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  手術&麻酔経験記 投稿者:ゆうちい  卵巣腫瘍摘出術&麻酔体験記
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私が入院した病院は家から近い私立の総合病院です。
地域の病院で、救急指定の病院でもあります。

2001.12.13≪手術前日≫
入院はその前の日からでしたので手術同意書などを提出済みです。
麻酔科の看護婦さんが麻酔のことでこれまでの
既往症や、麻酔について、手術室でのことを
分かりやすく説明してくれました。

例えば、私の手術の場合だと全身麻酔をして
さらに手術後の痛みを軽くするために脊椎の腰の部分で
丁度骨盤の痛みを感じる神経のあるところに麻酔薬を
入れて痛みを和らげる処置をすることになっていました。

「硬膜外麻酔」という方法です。全身麻酔はもちろんだけど
麻酔を組み合わせるなんて知りませんでした。
もちろん入院前の主治医の説明でも聞いていたけれど
改めて聞くとなるほど〜と思いました。

手術室に入室するときに音楽をかけてくれるそうで
私はSMAPをお願いしました。
そういえば、長男が腎生検をしたときにも手術室での
音楽を選べたので、長男はポケモンを選んでいました。
大人でも音楽が選べるんだ〜と思って聞いたら
「患者さんの緊張を和らげるために音楽をかけることも
できるんですよ〜」と看護婦さんのお話でした。
後でゆっくり読めるように2枚綴りの麻酔の説明書を
頂きました。何か心配があったら言って下さいね、と
言われました。


2001.12.14≪手術当日≫
6時起床。
とうとう今日は手術の日です。
主治医のM先生が「良く眠れた?」と見に来てくれました。
朝から禁飲食なので間違って食事が運ばれてこないように
ベットの上に≪禁飲食≫の札がかけられました。
全身麻酔のときは胃腸をカラッポにしておかないと
ならないのでまた浣腸をしました。
朝の手術室からの連絡で私の手術が2時からになったので、
家族には1時30分まで病院に来てもらうように
看護婦さんから言われたので家に電話しました。

午前中、手術着に着替えました。肩にスナップボタンが
ついていて浴衣みたいな手術着でした。
中はパンツだけはくように言われました。
弾性ストッキングという強力なサポート力のある
白い厚手のストッキングをはきました。
手術後に寝ている時間が長くなると足の静脈に血栓が
できやすくなって、もし血栓ができてそれが立ちあがった
時に肺の血管に詰まると肺塞栓という怖い病気に
なるのでその予防のためのストッキングでした。
脚のつま先が開いていて太ももの途中までの長さで
すご〜くキツキツでしかもカユカユでした。

お昼前から点滴を始めてぼ〜っと横になっていると
もう2時になってしまいました。
500mlの点滴が2本目になっていました。
たぶん私の前の人(帝王切開)がまだ終わっていない
ようだったので遅れているみたいでした。

時間になると母と主人が来てくれていました。
手術室に行く前にあわただしく、パンツからT字帯に
履き替えて、血圧測定と検温をしました。
眼鏡とカチューシャをはずして横になっていました。
手術室から連絡があって2時45分からになり、
2時40分に車椅子に乗って病棟を出発しました。

手術室は4階にあって、手術室の前で病棟の看護婦さんと
手術室の私の担当の看護婦さんがフルネームで私を
確認して、私も自分で名前を言わせられて確認しました。

手術室は6室くらいあったのですがあいにく眼鏡を
はずし、ド近眼でぜんぜん見えませんでした。
手術室の前から歩いて手術室に向かいました。

私の手術室は一番奥の左側で、入室するとSMAPが
聞こえてきました。手術室の左側に手術台がありました。
手術台に上るまで2段の階段を上って仰向けになりました。
すぐに心電図のモニターを胸につけられて、右腕には
血圧計をつけ自動的に等間隔で血圧計が動いていました。
体の上にバスタオルをかけてその下で手術着の肩の
ボタンを外して腰を浮かせながら下からするっと脱がし、
T字帯もとってすっぽんポンになりました。

その頃になると主治医のM先生が入室してきていて
「ゆうちいさん、昨日のMRIの結果ね、チョコレート嚢腫
だったからね」と教えてくれました。

「手術よろしくおねがいします。」といいました。
私のレントゲン写真をレントゲンを挟むライトのところに
はさんで先生が眺めていました。
他の先生「炎症はどうなの?」
M先生「あったよ、来た時に痛がってたから」と
私のことを大きい声で話していました。

そのやりとりがあってから今度は麻酔科の先生が
「背中から麻酔を入れますから横向きになってください」と
指示があって仰向けから右向きになってえびのように
腰を曲げて膝を抱えて麻酔を待ちました。

腰にした麻酔は硬膜外麻酔といって腰椎の硬膜外というところに
髪の毛くらい細いチューブを挿入してそこから麻酔薬を
入れるというものをしました。

硬膜外に入れたチューブの先から麻酔薬を追加したりできるので
チューブを入れたままにして、術後の痛みを持続的に和らげることができます。

麻酔を打つところに消毒液で消毒しました。
消毒はひんやりしていましたが、その度に
「消毒薬が冷たいですよ」と教えてくれて安心でした。
このあたりが1番緊張していました。

モニターから私の心音がバクバク聞こえてきて隠そうと
しても緊張してる〜というのが見え見えでした。
看護婦さんがとっても優しくて大丈夫ですよとか、
ゆうちいさん、と何度も名前を呼んでくれました。

最初だけ局所麻酔をするときにチクっとしました。
でも本当にチクっとしただけで全然痛くなかったです。
そのあと腰をぐぐぐ〜〜〜っと押された感覚が走り、
麻酔科の先生が痛みが片寄って押されたりする感覚は
無いですか?と何度も聞くのですが大丈夫でした。

痛みが真中に寄っていますか?右に寄っていますか?
左に寄っていませんか?と何度も聞かれました。
私は「真中です」と答えました。
チューブを挿入し終わるとチューブが背中から取れない
ようにばんそうこうで止めて背骨に沿って頭の方に
チューブが来るようにテープで止めて仰向けになりました。
これが痛いとみんな脅かすので緊張したけど痛くなくて
看護婦さんに「痛くないね」というと「良かったね」と
話しました。

いよいよです。
酸素マスクをつけました。
麻酔科の先生が、「点滴から麻酔の薬が入りますよ」と
言って「はい」と返事をしてから10秒くらいして
急に瞼が1,2,3・・・と閉じてしまいました。



ここから私は手術を受けていたので記憶も痛みも全く
無かったです。手術が終わったと家族に連絡が入った
のが5時くらいだったそうです。


だいたい手術は2時間でその前後にかかる麻酔や麻酔の
覚醒に合わせて1時間かかるという予定だったので
その通りみたいでした。

主人と母は手術が終わったと手術室から連絡があって呼ばれて
手術室の前で執刀した主治医のM先生から摘出した
チョコレート嚢腫と、子宮内膜症の癒着していた組織と
腫瘍から吸引したどろどろの血の塊や液体が入った
瓶を見せられたそうです。

チョコレート嚢腫の袋は肉みたいな汚い内蔵〜って
感じで、癒着していた組織は焼肉のホルモンみたいな
灰色をしていたそうです。


液体が入ってた瓶は、母が言うには「麦茶でも入れるような
瓶だったよ」と言っていました。

その瓶の中に本当にチョコレートの色をした液体が
200ccくらいとその中に血液の塊が何個も入っていたと
後で教えてくれました。

一通り説明が終わるとまた家族は待たされていました。
私はその間、手術が終わって麻酔から覚醒して(たぶん)
体を拭いたり着替えていたようですが、手術室から
なかなか戻ってこなくて心配だった、と言っていました。

次ぎに目が覚めて、目が覚めたと言うか記憶にあるのが
病室のベッドにストレッチャーから移されるときからです。

麻酔から自分の記憶まで一瞬に感じました。
ちょっと居眠りしたかな?ってくらいの感覚です。

手術が終わって麻酔から覚めたときに手術室で覚醒の
確認をして病棟に戻っているはずなので最初に目が
覚めたのはたぶん手術室のはずなのですがぜ〜んぜん
記憶に無いです。

病室で「ゆうちいさん、ゆうちいさん」と何度も呼ばれて、
私も眼を開けたいのは山々なのに眠くて眠くて全然
目が開かないんですよ。

頑張って目を開けて見たら右目はあくのに左目が
閉じていて変でした。

目は開かないけれど耳は良く聞こえていて、廊下で
夕方のお茶を配っている看護助手さんの声が聞こえて
「あ〜夕方の5時50分くらいだな〜」と考えていました。

母が「ゆうちい痛い?」と聞いてきたので首を横にふって、
眠いの?と聞かれてうなずくのが精一杯でした。

母と主人が「ここに居てもしょうがないね〜」とかなんとか
言うのが聞こえてきて帰ってしまったようだったので
「薄情なやつらだな」と心の中でつぶやいていました。。。


後で聞いたら、私の周りには検査の機械などがあって
看護婦さんの出入りが激しく、病室にいることができなくて
帰ったそうです。

そのままZZZ寝ていて、目が覚めたときに看護婦さんが
居たので時間を聞いたら夜中の11時30分でした。

右腕に血圧計のカフスが巻かれていて、
指には経皮酸素飽和濃度を計るクリップがついていて、
左腕には点滴、尿は導尿のカテーテルが入っていて
身動きできない状態・・・。
お腹の傷は痛いし重苦しい感じでした。

そのうち酸素マスクが気になりだしてきました。
自分の呼気がなんか臭い・・・その匂いで吐き気がして、
気持ち悪くて吐きたい気分。

最初は我慢していたけれどどうにもこうにも我慢できず
ナースコールしてしまいました。
吐くたびにナースコールして入れ物を綺麗にしてもらい
ました。吐いてもまた直ぐに吐き気がしてきて
am2:30頃から全然眠れませんでした。

吐くには寝たまま吐けないから体を横にするんだけど
とっても傷が痛くて辛かった〜。

しかも胃がモノを押し上げるときに傷に響いて
吐きたくても痛くて吐けないという辛さ・・・。

何度もナースコールしてしまいました。
随分暑いな〜と思ったら電気敷き毛布が敷いてあって
それを無意識に足でぐいぐい下げていました。
あまりにも暑くてとってもらいました。
看護婦さんは定期的に膝の下の足枕を入れたり取ったり
してくれました。

骨盤内の手術は血栓ができやすいので
弾性ストッキングをはいたり、足の曲げ伸ばしをしたり
するんだそうです。

吐き気がしたのは麻酔ガスか、硬膜外麻酔に使った
モルヒネのせいじゃないか?ということでした。

とにかく一晩中辛くて眠れませんでした。
この吐き気は次ぎの日の午前中まで続きました。



 
     

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