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  私の手術体験(硬膜外麻酔)    ゆうさん。

ある日、右のソケイ部…というよりもちょっと、恥ずかしいところがポッコリと飛び出しているじゃないの!
A先生にエコーをしてもらった結果、ヘルニアの袋に水が溜ってしまってポッコリ飛び出していることが分かりました。
急ぎはしないけど、手術をしておいた方がいいだろうということで手術が決定しました。
忙しい中、お休みをもらって自分の働く病院の患者になったのでした。

初めての入院
外科病棟に行くと知ってる顔がたくさんあるだけにちょっと、恥ずかしかったけど、あいさつをして部屋に案内して
もらった。4人部屋だった。入院してみて、思ったことは、自分の場所がなくてすごく落ち着けなかったこと。
病院って、なんて特殊な空間なんだろうって驚いてしまった。それに、こんなところで、病気と戦わなくてはならない
んだって、思うとなんだか患者さんが可哀相な気もしてきた…。
私はその日、4人部屋で他の患者さんとは、ほとんど話さずにカーテンでベッドを囲んで自分の場所をつくった。
その夜は遠くの部屋からの話声や咳、などのいろんな不愉快な音が耳について…やっぱり、寝つけなかった。

点滴と前投薬
点滴は結構めんどくさかった。トイレに行く回数は増えるし、かならず連れて歩かなくちゃならないし…。手術のときは
比較的太めの針をいれるので、痛かったし。手術時間も緊急手術が入り、遅れに遅れた。手術室の方も忙しいんだろうな
とか、考えるとなんだか落ち着けない。
ようやく、私の番がきた。病棟の処置室に呼ばれて、服を全部脱いでストレッチャーに横になった。服を着ないのってこんな
に落ち着かないのかと思ったりしてました。そして、腕から前投薬を筋肉注射して、血圧や脈、体温などを測定して手術室へ
搬入された。なんだか「患者さん」ってことを実感してきた。


ストレッチャー
はじめてストレッチャーに乗った。乗ってみたら、「こりゃ、看護婦も一度は乗ってみた方がいいわ」って思いました。
結構、揺れるし、振り回されるカンジがするし、なによりも見え方が不思議だった。だって、みんな下からのアングルで見えるんですもん。(あおりってやつですね)不思議なカンジでした。こんなことを考えてると手術室に到着して、入室。


入室
入ると知った顔がたくさんあって、すごく恥ずかしかった。手術室スタッフはみんな、疲れているのに笑顔で迎えてくれました。
手術室は、いつも働いている時の部屋とは違って見えて、緊張していないつもりなのに段々と手の先にかけて、冷たくなってしまっていました。手術台に移ると、「無影灯」も見えてきて、寝るとこんなふうに見えるのかって感心しました。(やっぱり、圧迫感はつよいですよ)前にある患者さんが術中、無影灯に手術が写っていたらしくて全部見てたってことがあったので、見えないといいなとか、考えて
たら、着々と準備が進められてました。胸には心電図の電極シールを3つ、腕には血圧計、指にはパルスオキシメーターを取り付けて(これは自分で付けた)もうホントに「まな板の鯉」状態。寝ている私をのぞき込むようにしゃべられるだけでも結構恐い……………。
これで、準備OK!
麻酔のO先生がマスク越しに笑ってくれた。


麻酔
私は硬膜外麻酔という方法で、腰からする麻酔でした。真横を向いてを丸くして背中(腰)を突き出す姿勢で背中から局所麻酔を…もう全部、いつも見ている光景なので背中で何をやっているのか想像がつくので「今、局所麻酔吸ってますね」とか言ってたけど、むちゃくちゃ恐かった。何をされるのかわからないって想像異常にこわかった。私の前で身体を支えてくれているM看護婦さんが説明をしてくれてほっとした。局所麻酔をするときは、O先生も一緒に「じゃ、ちょっと痛いよ」と声をかけてくれた。思ったよりも痛く無かった。そのあと、ちょっと太い針を刺すのですが痛くはないけど、腰の骨の近くでグザグザって感覚だけがして気持ち悪かった。突然、背中がスッとしてビックリした。動いたつもりはなかったけど「動いちゃダメ」って言われちゃった。私も看護婦の立場でよくいう場面だったので、患者さんにしてみれば…。ちょっと考えないといけないなと思っていたら、細ーいチューブも入って終わり。
で、今度は仰向けに戻って、を腰に入れたチューブから麻酔薬を注入して麻酔が効いてくるを待ちます。お尻のあたりからちょっとずつ暖かくなってきて、なんとなく気持ちいいカンジになってきました。なんか…気持ちいい。不思議な気分。
麻酔もいいカンジに効いてきたので、麻酔がどこまで効いているかを確認して、手術の準備OK。


手術開始
やっと手術開始。メスを入れる時に「お願いします」というあいさつ?で手術開始なのですが、麻酔は良く効いているし分かってるのにやっぱりメスを入れられるのは恐かった。痛かったらどうしようとかいろいろ考えてしまいました。こわいもんはこわい!!
はじまって痛くなかったらなんだか、ホッとして落ち着きました。少しの間だけど、M看護婦さんが手を繋いでくれて、物凄く安心しました。手を握る、触れるって行為は言葉よりも深く伝えることもできるんだなって再認識。っていうか実感しました。
ここで手術して良かったなって思いました。
手術中は引っ張るカンジなんかはどうしても分かっちゃって「今、どこどこの辺り?」とか話ながら…余裕でした。
わざわざ、好きなCDまで準備してくれていたのに…私は喋りっぱなしだった気がする。ちょっとテンションあがっていたよう。
手術は順調に終わって、退室する時には「もう、1例がんばってね!」みんなを励まして病棟に帰りました。
みんな、裸の私の露出を最小限にしてくれてありがとう。
病棟に帰ってから、導尿してもらった。感覚無かったし痛く無かったし(恥ずかしかったけどね)良かった。
その後、安心してか…ぐっすりと寝た。夜遅くにO先生がやっと手術が終わったと寄ってくれた。お疲れ様でした。
次の日、足のほうの感覚も戻ってきたしトイレに行った。ふわふわ浮いたカンジはするけどなんとかトイレには、行く事ができた。で、ベッドに戻ろうとしたら、急に気分が悪くなって吐き気……。なんとかベッドまでいって横になったら治まった。これはーって思ってもう一度ベッドから起き上がったら同じようになったので起立性の低血圧かなって思って横になっていたら、O先生が朝来てくれて
「いきなり立ったらダメだよ」と怒られた。
この次の日から2人部屋になって、夜眠れなくなった。隣のおばさんは胆のう摘出術後の患者さんで…なにかと手伝ってしまうし、別の部屋のおじいさんは夜な夜な叫んでるし、ベッドから落ちるし、看護婦さん忙しそうだし。自分は患者でここにいるんだけど…アレ?。
余計に疲れるので手術室にいって病衣のままでちょっと仕事してました。入院予定はもちょっと長かったけど早く帰ることができてよかった。違う病気にかかりそうだった。

看護婦もたいへんだけど、患者さんはもっとたいへんだった。あれだけの手術でこれなんだから…。私達はもっと患者さんの話を聞いて分からなきやいけないことが山程ありそうです。

手術の際には、いろいろお世話をかけましたスタッフのみなさま、ありがとうごさいました。
O先生の麻酔のお陰で安心して麻酔も手術も受けることができました。いつもお見舞いありがとうごさいました。
いおりん。いろいろありがとうでした。いつも側にいてくれて安心しました。
 
     
     

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