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  PT学生さんの麻酔体験談 1回目 (あと2回掲載予定です。)  

今までに6回手術を受けてきました。ギネスには載らんけどなぁ(笑)
 1回目: 5歳 両耳耳漏腔 全身麻酔
 2回目:12歳 右膝骨軟骨腫 腰椎麻酔
 3回目:17歳 右伏在神経絞扼性神経障害(右ハンター管症候群) 腰椎麻酔
 4回目:18歳 左伏在神経絞扼性神経障害(左ハンター管症候群) 腰椎麻酔
 5回目:18歳 手掌多汗症 全身麻酔
 6回目:19歳 両耳感音性高度難聴、人工内耳埋め込み術 全身麻酔

全部は書ききれないので、3つの手術体験を書きます。

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3回目の麻酔体験 2000.2月
11歳の時からの膝の痛みとしびれに悩まされた結果、右伏在神経絞扼性神経障害ではないかという診断が下り、手術することになった。伏在神経とは?絞扼とは?神経障害とは?当時何も分からなかった私は、手術も麻酔に関してもとーっても不安だった。5歳、12歳と2回手術を受けていたのだが、記憶が薄れてしまっていたのだ…。

伏在神経(ふくざいしんけい)とは、大腿(太もも)の内側(膝の内側の上)を走る神経のことで、伏在神経の周りは筋肉に囲まれている。
絞扼(こうやく)とは、ヒモなどを閉める・圧迫に似た表現。 神経障害(しんけいしょうがい)とは、神経による皮膚などの痛み・しびれなどを表す。

このように、私の伏在神経は神経の周り(内転筋管:ハンター管)に圧迫されており、その伏在神経がほそーくなってしまっていたのだ。この手術は、圧迫されている伏在神経を内転筋管から剥離(はくり:引き離す)するを目的とし、痛み・しびれを治療することになった。

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2000年2月某日

@手術2日前 I県国立M病院入院ス@
空きベッドが無く、2週間待たされました…。トホホ(泣)
病室は4人部屋、おばぁちゃんだらけでした。
午前10時入院
午前 プロフィール聴取(病歴など、看護婦からの質問に答える)、回診
午後 手術前検査…胸部レントゲン、血液検査などなど。

余談:奇跡?の再会
 2回目の右膝骨軟骨腫の腫瘍を摘出する手術を別の病院で受けたことがある。その主治医がW医師。W医師の愛称はNちゃん。そのW医師が、今回入院した病院に勤務していた!!W医師のことをはっきりと覚えていた私は、回診時に「Nちゃんだー!」と叫んでしまった。W医師は「覚えてないな〜。よく遊んだっけ?この傷(2回目の手術の傷)がオレが刻んだ傷?目立つね、ごめん、ごめんなぁ!」と。昔仲良しだったため、今回も仲良く?話す関係になってしまった。

@手術前日@
朝6時 看護婦に起こされる。
午前 剃毛(ていもう:手術部位の毛を剃る)
T字帯やバイリーンシーツなど、手術に必要な物を買う
座布団…手術後、足を挙上(むくまないようにする)するため
手術に関して、O看護婦から説明を受ける
午後 入浴…翌日の手術に備え、体を清潔にしておく。しばらく入れなくなるため、
髪は3回も洗った(笑)
手術部位の確認
抗生剤のアレルギーテスト

食事に関するコト
手術前日 21時以降は禁食
      24時以降は禁飲食

@手術当日@
午前8時 点滴開始。痛い痛い。前腕部の血管が見つからず、手首(親指の下)に点滴を入れた。  
手術は午後からの予定、呼ばれるのを待つ。 
浣腸は前日に大便したため、行わなかった。

午後13時 J看護婦がストレッチャー(移動するだめのベッド)を連れてバタバタ入ってきた。     
「呼ばれたよ。さっ、術着に着替えよう。」嫌々着替る。
その後、ストレッチャーに横になり、”あぁ、このストレッチャーって気持ちがいい…”と思っていたら、看護婦が注射器を私の目の前で握っているではないか!恐ろしか。肩に抗不安剤を注射され、意識がもうろうとしてきた。
 

午後13時15分 
出発。エレベーターを降りると目の前は手術部。朦朧としていたため、横になって引き継ぎが終わるのを待つ。引き継ぎが終わり、J看護婦に「頑張って!終わったら迎えに行くよ」と励まされた。長い廊下をくねくねと行き、奥の手術室にたどり着く。手術室には、W医師がいた。W医師は笑顔で「よっ!大丈夫か?」と言ってくれた。私は「麻酔が怖いんだけど!(なんとかしてくれ!)」と言った。

午後13時30分 手術室にて
*腰椎麻酔*
手術用のベッドに自力で移り、心電図・血圧計などを貼られる。しばらくして、マスクをして手袋をはめたW医師が来た。この手術は腰椎麻酔。「麻酔は俺がやるから安心してね」と。えっ?もう麻酔?
・手術室看護婦に「横を向いてエビのように丸くなって」と言われ、丸くなる。
・慎重に背中の消毒を行う。消毒液は冷たかった!!
・麻酔を入れる部位を確認する。
・W医師に「入れるよ」と言われる。”チクン!”「いったぁー!!痛い痛い!う〜〜〜」かなり痛かった。この時だけ、Nちゃんを恨む(笑)

・5分経つと、自分の意志では動かせなくなっていた。ほほう。そんなにすごいんだねぇ。麻酔って。
*手術開始*
麻酔がきちんとかかったことを確認した後、主治医H医師が来て、やっと手術が始まった。
無影灯に私の足が少し映り出され、赤い血が見えた。もう切ってる!?痛くないじゃーん。
私は耳が聞こえないため、医師の声やカチャカチャなどの音が聞こえない。そのためか、とっても退屈だった。
3時間くらいたっただろうか?ものすごく長く感じた。手術体位に疲れ、もうヤダと言いたくなった。
この手術の場合、上体を約30度右に向ける形。
W医師は「終わったよ」と言い、H医師は「やはり、神経が細くなっていたよ。
少しずつ治るからね」と言ってくれた。やっと終わったか。もー疲れた。
足の感覚はない。麻酔が効いているためだ。   

*手術終了*
自力で動けないため、医師と看護婦3人かがりでストレッチャーに移ってもらった。そして、心電図・血圧計などを外し、ストレッチャーで再び同じ廊下をくねくねと行く。手術棟の引継ぎ所にJ看護婦がいた。そしてW医師も一緒に病棟へ。

午後16時30分 病室にて  
W医師も一緒に病室までついてきてくれた。ストレッチャーからベッドに。今度は医師と看護婦5人かがリ。すまない、標準体重なのに。看護婦がバタバタしている。
すぐに仕切りのカーテンが閉められた。点滴交換、バイタルチェック、ハルン計測(尿留置カテーテルをつけている場合、おしっこの量を測ったり回収する)などなど、看護婦が変わり変わり様子を見に来る。

1時間ごとのバイタルチェックの際、次の質問を受けた。
・傷は痛くないか?→麻酔が切れると傷の痛みが出てくるため
・気分はどうか?→麻酔による吐き気の有無
・頭は痛くないか?→これも麻酔による頭痛の有無 
・熱っぽくはないか?→急変防止(嘘です)
・足は動くか?→麻酔の取れ具合、脊髄は傷ついていないか(腰椎麻酔により、脊髄が傷ついてしまう場合もあるため) まだ足は動かない。まーだまだ麻酔が効いている。

午後7時 寒い!ナースコール、K看護婦を呼び、毛布を注文。
左足が動くようになり、右足の傷の痛みが出てきた。右足は動かせるが、傷の痛みで動かない!だんだんだんだん…痛みが増してきた。再びナースコール、K看護婦を呼ぶ。痛み止めを貰う。
が…、点滴だった。ポタポタが5秒に1滴、効くまでに30分かかるとのことだった。
なんとか早く効けと神様に願う。

私の体→おしっこできなくなるため、尿留置カテーテルを麻酔後にとりつけた。
傷の下にドレーン(傷の中の血や滲出液、膿などをチューブを介して体内に流し出す)をとりつけた。

食事に関するコト
手術当日は前日に続き、禁飲食。点滴で水分補給されるので、死ぬことなない!(笑)安心して下さい。

@手術翌日@
午前 M看護婦に起こされる。体がおかしい。猛烈な頭痛と吐き気、全身筋肉痛に襲われた。
頭痛と吐き気は腰椎麻酔の影響によるものだ、とW医師が解説。
全身筋肉痛は昨日の手術体位が原因だと思われる。
かなり不調、身動きできない。ご飯も食べられない、起きられない。
回診、手術翌日は消毒は行わない。

午後 猛烈な頭痛と吐き気、筋肉痛で動けず、また、傷もズキズキ痛く、ずーっと横になって安静。昼飯も夕飯も口にしなかった。

食事に関するコト
手術翌日 朝 水分摂取可能(飲み物ならなんでもOK.だたし、お酒はだめ(謎))

昼 昼飯から普通食、夕飯も普通食

@手術後の経過@

手術後3日目 回診、手術後初めて消毒を行う。W医師に「ふんどし(T字帯)かわいいなぁ」とバカにされた!仲良しだからといって、そこまで言ってもいいんかい!?看護婦も苦笑。オイオイ!

車椅子に乗ることを許可されたが、頭痛と吐き気、筋肉痛で起きられない。
T看護婦に介助してもらう。浴衣からパジャマに着替え、尿留置カテーテルも取り外した。右足を曲げずに力をいれずに、車椅子に移るのは大変。しかも、痛い。頭が痛く、トイレに行くのが苦痛だった。

手術後7日目 傷の下のドレーンを抜く日が来た。これで更衣時の面倒臭さがなくなる!

手術後13日目 頭痛と吐き気はまだおさまらない。回診、抜糸が行われた。糸の数が気になった。

起きて抜糸を見る。ふーん、こうやって糸を抜くんだな、と興味しんしん。
傷は10cm、糸は13針。この日から松葉杖で歩行訓練を開始。
しかし、頭痛と吐き気で訓練どころではなかった。主に車椅子で移動。
手術後16日目 3月某日。退院ス。頭痛、吐き気は少し良くなってきた。
学校を長く休むわけにはいかないので、頭痛薬と吐き気止め薬を貰い、松葉杖を借りての退院となった。

@頭痛と吐き気@
手術直後…頭痛と吐き気はなかった。
手術翌日…朝から猛烈な頭痛と吐き気に襲われる。
頭を動かすとズキズキ、起き上がるとゲロゲロ。このとおり、1週間なにも食べられなかった。
しかし、飲み物だけは頑張って飲んだ。
2週間してから段々とおさまってきた。ご飯も食べられるようになり、トイレに行くことだけは頭痛を我慢することができた。
1ヵ月後にはすっかり元気になった。

@点滴@
手術前…朝から点滴、生理食塩水など。
手術中…色々な点滴が体内に入った。
手術後…抗生物質やカリウム・ナトリウム補液(KN補液)、生理食塩水など。翌日までつづけて点滴。
尿の量が少ないと、点滴が増える。
同じ種類の点滴を3本まとめて急いで入れる、とか。実際、尿が少なく、深夜に看護婦がカテーテルが詰まってる?など心配し、念のため、点滴を増やした。その結果、翌朝にはカテーテルの終着駅・袋がおしっこでパンパンになっていた。

手術翌日…朝 KN補液からブドウ糖に変わる。栄養を補給するため。
昼 普通食を少しでも食べられた場合、点滴がやっと終わる。
それ以降は、抗生物質の点滴だけとなり、朝・夕の1日2回、点滴する。抗生物質の点滴は手術日から約1週間続ける。その後は飲み薬を更に4日〜1週間飲みつづける。

私の3回目の手術(麻酔)体験はこんなもんでした。
これから、手術(足)を受けられる方への参考になれたら、と思っています。

5回目の手術(麻酔)体験に続く…お楽しみに!



 
     

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